A Younger Generation Speaks Up
Maura Moynihan's Report for RFA
世界各国から約600人の代表が集まったダラムサラでのスペシャル・ミーティングの会場には、TCV(チベット子ども村)が充てられた。
1959年にダライ・ラマ法王がインドに亡命した際、ネルー首相は中国との友好関係の板挟みになり、法王を公然と歓迎することはできなかったという。そのネルー首相が個人的に協力したのが、ダライ・ラマがまず最初にやろうとしたチベット人難民の教育だった。だからTCVはインドに亡命したチベット人の原点であり、その象徴的存在とも言える。
RFAのMaura Moynihanによるスペシャル・ミーティング報告は、そのTCVでの結論で締めくくられている。
スペシャル・ミーティングでの結論は、チベットと中国政府との対話を変えようとする若い世代の意見も反映している。
11月22日午後、TCVの講堂にはポタラ宮の大きなタペストリーと金色の玉座に座るダライ・ラマ法王の写真が掲げられ、全員が集まった。代表団も報道陣も、全員がチベット人の愛国心とアイデンティティの強さに打たれた。
「この一週間、本当の団結感がありました。『中道』と『独立』のどちらを支持するかというよりも、私たちには盗まれた自分たちの国を取り戻す権利があると認識しました。みんながそう思っていると思います」と、日本から出席したペマ・ティンレイは話した。カルマ・チョーペル議長は、スペシャル・ミーティングでの以下の結論を確認した。<法王とその非暴力主義への支持は揺るがない。チベット人の多くが中道路線を支持している。世界平和と調和のために貢献し、世界中の人々から敬意を得て、中国国内のたくさんの仏教徒からも敬愛されているダライ・ラマ法王に対する中国政府の侮辱的な非難をやめさせるよう、亡命政府は中国政府に呼びかけるべきである。>
ダライ・ラマの代理人として中国との対話に望んだロディ・ギャリのきょうだいで、カルマパ妃でもある議会代表のギャリ・ドルマは記者会見で「ボールは中国側にある」と話した。「亡命政府は、中国共産党代表との対話を延期するでしょう。法王はその善意に基づいて、手を尽くしたのですから」。
チベット亡命政府は中道路線の上で中国に最後の機会を与えるとギャリは言う。もし2、3年で進展が見られなければ、政策は『中道』から独立を求める方向に転換するだろう、と。代表団の若い世代にとっては、この発言は勝利とも言えるが、中にはこれでは不十分という人もいる。
カナダから飛んできたタシ・プンツォクは独立を主張している。「ミーティングの前に、一度私は締め出されたのですが、この時は全員まだ話を聞いているところでした。チベットで何が起きているのかみんなが知っています。自分の意見を言ったり、ダライ・ラマへの忠誠を表すだけで嫌がらせを受け、拘束され、虐待されている。その痛みをみんなが感じています」。「昨年は『独立』が議論にもならなかった。亡命政府はこの先2、3年中道路線を維持するとしているが、中国は10万の私服警官を配備し、オリンピックのために高性能な監視カメラを整備している」とデリー大学で政治学博士号のために研究をしているテンジン・ツゥルティムは言う。「中国はチベットで恐怖政治を続け、無力な人々を迫害し続けています。中国共産党の変化を望むのは現実的ではありません」。
チベット青年議会(TYC)総裁のツェワン・リンジンもそれに同意する。「私はいますぐ独立を要求するでしょう」。
中道路線の「失敗」を亡命政府が認めたがらないのだと若い世代のチベット人は感じている。亡命政府のベテランの職員が、論理的な思考と分析をねじまげているというのだ。
最近政府を退職した若い亡命チベット人はこう話す。「彼ら古い世代は法王によって長いこと保護されてきた。法王がいなくてはチベット人は孤児同然だ。きょうの結論が、次の世代のチベット人を運命づけることになる。自分たちを救出するのに失敗するのではないかという恐れでいっぱいだ」。スペシャル・ミーティングに出席したニマ・ドルジェは、2004年にオタワで行われたダライ・ラマ法王とのミーティングに出席するまで中道路線を支持していたという。
「法王は中国を国家政府として扱い、チベットはあくまでその一部の地方政府だと位置付けました。その瞬間、私は気付いたのです。『中道』は私が中国の国民になることなのだと。帰宅してから私は中国国歌を聴いてみました。そして自分はこの曲を受け入れられるかと、自問したのです。涙が出て、まだ早すぎる、と呟きました」。
3月にも書いたとおり、RFAは決して中立的なスタンスでは報じていない。引用しておいて無責任なようだが、そのことを割り引いて考えて読まねばならない。
1997年以来、チベット社会は中道路線と独立のあいだで揺れ動いて来たと言われてきた。今回のスペシャル・ミーティングもまた、法王が提唱し亡命政府がとってきた中道路線を放棄し、独立に舵をきるための布石なのではないかと報道陣は先走った。
もちろん異論はあるだろうが、この結論を見てRFAの報道のように「中道路線の支持が勝利した」と断じるのは表面的すぎるようだ。いままで遠く離れた場所にいたミーティングの参加者たちはTCVのクラスルームを使った1週間の議論で、互いの立場や考えを理解した結果、「中道」「独立」を超えて「チベットの未来のために」一致した結論を導きだしたのだ。
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