Nameless Tibetan@Karze
レコードチャイナによると、四川省大地震で壊滅的な被害を受けた北川県での生存者捜索活動が23日終了し、「県両端の山を爆破し、平地にすることを決めた」という。これがYahoo! Newsに配信されたことで、「北川県が地図から消える!16万の犠牲者を見殺しにしていいのか!」という声が日本のSNSや大規模掲示板などであがっている。北川県の人口の半分はチャン族、チベット族など少数民族であり、伝染病予防を理由に被災地を埋めてしまうのは、被災地再建に名を借りた「民族虐殺」ではないか、というのだ。
私自身、この報道の出所がわからないので、そんなことが本当にあるのかどうか完全否定はできないのだけれど、少なくとも山2つを崩すぐらいで16万人が住む県全体を埋めてしまうなんてことはできないように思う。記事が転電される過程のどこかで誤解があったのではないだろうか。北川県の中心部(「県城」)を20キロ離れた安県安昌鎮に再建する方針は新華網も伝えているし、疑いないのだけれど‥‥。
チベット各地で起きている抗議活動と鎮圧事件にしても、地震の被災地の状況にしても、報道の少なさ、偏りゆえに、正確な情況を把握するのは簡単なことではない。だから余計に、報道の正確性を逐一疑わなければならないし、まずは冷静に記事の行間を読み取る努力が必要になってくる。インターネットによって、かつてない速さで情報が伝わるようになったのがよいことだが、その速度に煽られないようにしないといけないと思う。
89年のチベット各地での蜂起と比較して、大きく違うのがインターネットや携帯電話、デジタルカメラの普及だ。3月14日のラサでのデモは、携帯電話によってチベット人コミュニティに広く伝えられ、行政府も沈静化のために携帯電話のメッセージング機能を活用したという。デモが引き金になって商店が焼き討ちされ、クルマが通りに横倒しになる様子は中国メディアがWebを使って繰り返し報道したし、居合わせた旅行者がデジタルカメラで撮影した写真はすぐに世界中に伝わった。
チベット亡命政府があるインド・ダラムサラからは、ルンタプロジェクトの中原一博さんが、亡命政府スタッフや亡命してきたばかりのチベット人に取材して、チベット人社会の動きや雰囲気を伝えている(「チベットNOW@ルンタ」)。ダラムサラに溶け込んで仕事をしている中原さんの目と耳を通して、本土を離れたチベット人が何を考えているのか、次にどんなことを意図しているのか、逐一読むことができるのはとてもありがたい。
中国のコミュニティサイト「百度」への投稿を翻訳して伝えている「大陸浪人のススメ」によれば、カンゼ(甘孜)のチベット人が始めたスレッドが「百度」にあり、漢族ユーザとの興味深いやりとりがあったそうだ。カンゼはRFAでも多く報道されているように、比較的情報規制が緩いようだが、それにしても中国在住のチベット人が衆人環視の掲示板でここまで本音を語っているのには驚かされる。
日本でも報道メディアや既存のチベット支援団体だけでなく、SNSや大規模掲示板をきっかけとしたチベット支援の動きが目立っている。
とりわけ先週末は面白かった。「俺25日の日曜日にフリチベTシャツ着て渋谷をウロウロしようと思ってんだよね。絶対に真似すんなよっていろんなところに書いといてくれよ」という大規模掲示板への投稿をきっかけにして、SNSやBlogにも「渋谷に行くのは真似しないようにしよう」という書き込みが広がったのだ。午前中雨だったにも関わらず日曜日、ハチ公前やセンター街ではFree Tibetを訴えるTシャツを着たり、雪山白獅子旗を広げる「けしからぬ連中」があちこちで見られたという。ほぼ毎晩行われている笄公園(麻布)でのキャンドルライティングには、100人を超すチベット支援者が「自然発生的に」集まった。
ネットによって、私たちは恐ろしい力を持ってしまった。
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地図、写真入りのサイト(「中国汽車網」=運輸業界ポータル?)を発見。
http://info.china.alibaba.com/news/detail/v5003463-d1002071489.html