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Traveling Soul

by Days posted at 2008-07-15 01:30 last modified 2008-08-12 16:13
シール・エミコさん

どんなに仕事が忙しいときでも、どんなに気持ちが落ち込んでいるときでも、どんなに足取りが重いときでも、この人に会うと励まされた。勇気をもらった。走り出したくなった。
初めて会ったのは、数ヶ月かけて準備した大きなイベントの会場で、わざわざ奈良から東京に来てもらったのだ。みんながすごい人だと言うから、興味津々だったのだけれど、見た目は小柄でぴょんぴょん跳ねそうな女の人だった。そのとき既に、がんという悪い病をどうにか乗り越えようとしているところで、治療のために短く切った髪が、逆に活発な感じに見せていた。何よりもキラキラと輝く目。この人が、人生をかけて自転車で世界一周をしようとしているのだ。

シール・エミコさんは、オーストラリアをバイクで旅行中、自転車で世界一周を企んでいたスティーブ・シールさんと出会い、一緒に自転車旅を始めた。11年目の2000年、タリム盆地からクンジュラプ峠を越えてパキスタンに入ったときにがんを患っていることがわかり、イスラマバードで旅を中断して急遽帰国した。半年間の入院とその後の療養生活。自然たっぷりの奈良の農家に住むようになって、めきめきと健康を回復。イベントに現れたのはその頃だったけれど、その後、奇跡のように再び自転車旅を再開できるまでになった。
2004年にイスラマバードからスティーブと二人で旅を再開。まずはパキスタンからインド、ネパール。いったん帰国して体調を整え、続いてネパールからチベット、中国、ラオス、タイと、少しずつ旅を続けた。今年2月には一歩も歩けないほど猛烈な砂塵の中、チベット高原を走り抜けた話を聞かせてくれた。つらかった高原からメコン川に沿って熱帯の国へ走り下ったことを話す笑顔から、もうがんが完治したのではないかと私は見てとった。

「残念なお知らせをしなくてはなりません。がんが再発しました。今後のことは主治医とよく話し合っていきます」‥‥。こんなメイルが転送されてきたときには、私もぶん殴られたように思った。またすぐ入院するという。
その後、奈良の家を訪ねたやまべくんによると、旅の続きに向けて間もなく農家を引き払うことにしていたから、当分入院するとなると引っ越し先も考えなくてはならず、亭主のスティーブはてんてこ舞いだそうだ。
そんなに簡単に治る病気ではないと、誰もが知っている。だからこそ、旅を続けることに意欲を燃やすエミコさんには誰もが励まされた。今度は自分が彼女を励ます番だと思う。

彼女の旅をずっと支援してきたモンベルが、「シール・エミコ支援基金」を立ち上げ、支援金と応援メッセージの受付を始めた。やまべくんは千羽鶴を折るのだという。直接はカンパを送ったり、千羽鶴で励ましたりすることしかできないけれど、もらった勇気を生かして、日々をきちんと生きることが、何よりも彼女を元気づけることになるのだと思う。
エミちゃん、がんばって!

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