ごはんとともだち
Up one levelWe have Nothing to Lose
「学生がただ騒ぐだけでこの大きな国が変わるとも思えない。けれど、事件のために指導者のイメージには明らかに傷がついた。それが良かったのか、悪かったのかは数十年もすれば自然に明らかになるでしょう」。
1989年6月4日の天安門事件の翌年、親しくなった若い中国人記者がのどの奥から絞り出すようにゆっくりと話してくれた言葉をまだ覚えている。ふだんはあれだけ軽口を叩いていたのに、さすがにこの「天安門事件をどう思うか」という質問にはまだ答えにくかったようだ。いま考えるとストレートすぎた。
西域へ向かう車中3泊の長距離列車の中。「花房姑娘」「假行僧」といったコミカルな曲に混じって、「一无所有」(俺たちには何もない)という昨年の事件を連想させるメッセージソングが入った崔健の「新长征路上的摇滚」のカセットが私たちのBGMだった。
あれから20年。記者だった友人はいま中国を離れて暮らすという。北京の火は消えてしまった。
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Mosh Mosh Mosh...
Earch Garden<夏>が無事終わりました。
4日は、“Songs for Tibet from Japan”ディ。ハイスタ、Ultra Brainの難波章浩さんがステージをオーガナイズし、ステージ上からFree Tibetを呼びかけてくれました。
最後は名曲、Under the Rainbowで締め。イントロが流れたとたん、ステージ目がけて走っていく人の波、そしてステージ上からのダイブ‥‥。混じれなかったのが、ちょっと残念。
往年のTibetan Freedom Concertのように、音楽やイベントを入口にして、チベット問題に関心を持ってくれる人が増えると嬉しいです。
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The Dark Harbour
「万造、38歳。職業、漁師。嫁、募集中。」というキャッチコピーで、いかにもイケてない主人公が主役の映画『不灯港』。
「漁師万造(俺デス)の恋愛模様を描くハードボイルドな喜劇、という若干変な映画ですが、海外の映画祭でも好評とのことで、老若男女楽しめる内容になっています!」と主演した役者から案内が回って来ていたので、見に行ってきた。
のっけから万造がひとり船のエンジンをかけて漁に出るシーンから始まるが、黙々と網をたぐるばかりで、台詞が出て来ない。港に帰っても、漁師同士の会話に万造は加わらず、全体を通してとにかく台詞が少ない。それゆえ、万造の強烈なキャラクターを形作る「クサイ台詞」が光るのだ。
登場するキャストは両手で数えられるほど。しかし万造のキャラクタ−がストーリーをぐいぐい引っ張る。もうスクリーンから目が離せない。そしてときおりぼそりと呟く台詞に、やられちまうのだ。
ストーリーからは意図的とも思えるぐらい地域性が排除され、台詞にも方言が入らず、舞台がどこかはわからないが、ロケが行われた港は、千倉市の忽戸港だそうだ。「くじらのたれ」で有名な千倉港のすぐ南にある小さな漁港。本当に嫁不足が深刻な場所かと思っていたので、ちょっと意外だったが、まあそういう場所でロケをするのは逆にしんどいかもしれない。
この映画、実はコメディでも、ラブストーリーでもない。強いて言えば、上記の案内にあるとおり「ハードボイルドな」男のロマンを描いたもの。題材は普遍的だし、台詞よりも演技が雄弁なキャストだし、むしろ国内よりも海外で今後どう評価が広がって行くのかが気になる。
ところで万造の「クサイ台詞」がさほどクサイと思えない私は、もうヤバいのだろうか‥‥。
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21st Century Arctic Expedition
まだ機会がないのだけれど、いま私が話を聞きたい人のひとりが、今年のモンベル・チャレンジ・アワードを受賞した山崎哲秀さん。1989年からグリーンランドに通い続け、グリーンランド最北の村、シオラパルクで犬ぞりを習い、北極圏の観測調査を民間で行っている人だ。
北極に吹く強い北風の名前を取り、「アバンナット北極圏環境調査プロジェクト」を2006年から始めている。この計画、名前は環境調査プロジェクトだが、行程はシオラパルクからスミス海峡、レゾリュート、ベーリング海峡に及ぶ21世紀的な探検に他ならない。
その山崎哲秀さんが明日午後、都内で受賞記念講演。10日には大阪で、11月3日にはスルガ銀行がサポートするシリーズセミナー d-log でも講演が予定されている。
○モンベル・チャレンジアワード受賞記念講演会 「犬ぞり冒険家が目にした北極の自然、地球環境の変化とは…。」 【東京】 日時:2009年10月4日(日)13:00〜16:00 場所:モンベルクラブ 渋谷店・5Fサロン (東京都渋谷区宇田川町11-5 モンベル渋谷ビル5F) 予約:03-5784-4005(モンベルクラブ渋谷店) 参加費:無料 【大阪】 日時:2009年10月10日(土)13:00〜16:00 場所:モンベル本社ビル 3F (大阪市西区新町1-33-20、本社ショールームのあるビル) 予約:06-6531-5524(モンベル本社 広報部)(受付時間:平日9:00〜18:00) 参加費:無料 ○d-log.047 山崎 哲秀 氏「北極圏をテツが行く」 日時:2009年11月3日(火)14:00〜16:00 場所:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー7F スルガ銀行 d-labo 参加費:無料
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What Time Do You Dance ?
鼻唄を歌いながら、思わず踊っていることはありませんか? つけっぱなしのテレビから、聞き覚えのある古いソウルミュージックがCMのBGMとして流れてきて、その続きをふんふん言いながら、誰もいないリビングでステップを踏んでいる、みたいな。
珍しいキノコ舞踊団の新作『私が踊るとき』は今夜が初日。いったいどんなタイトルなんだ?と訝しみながら足を運ぶと、まあそんなわけで、思わず客席で踊り出したくなるような舞台だった。踊らなかったけど。
75分間、とにかく次から次へと意表を突く演出はさすがキノコ。いたるところで拍手が沸き、思わず「成駒屋!」とかけ声を入れたくなった。入れなかったけど。
最後は喝采。拍手鳴り止まず。
昨年の "The Rainy Table" に続く三軒茶屋での舞台。今回は大きめの世田谷パブリックシアターでの公演なので、当日でもたぶん大丈夫。
25日(月)まで。
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Proses Kesampaian Menjadi Pelahu Kami
探検家の関野吉晴さんが美大に職を得たときには新鮮な感じがしたが、その学生たちに呼びかけて「グレートジャーニー」の続きを一緒にやろうとしていると聞いたときには驚いた。
「グレートジャーニー」は南米からアフリカ、タンザニアまでの人類の足跡を逆にたどる旅で、関野さんは1993年にその旅を始めたときに、エンジンなど動力には頼らず、自分の人力だけで行くことを自らに課した。アラスカからシベリアへアリューシャン列島を渡るときも、カヌーを使って海を渡った。
日本列島にわたってきた日本人の祖先たちの道程をたどる旅のうち、海のルートではインドネシアからフィリピン、台湾、沖縄と、島伝いにカヌーを操ることになる。日本人の祖先はどんなカヌーを使ってやってきたのか、そのカヌーはどうやって作ったのか、船上では何を食べていたのか、こうしたことを学生たちの協力を得て、解き明かしていこうというのだ。
2008年5月、そうしてまず九十九里海岸で砂鉄を集めるところから始まる。カヌーを作るには木がいる。木を伐るには斧がいる。斧を作るには鍛冶の技術と鉄が要って、鉄を作るにはたたらで砂鉄を溶かさなくてはならないのだ。
もちろん科学的実験ではないので、歴史的考察がしっかりしているとは言いがたいが、目的を達成するためのこの連鎖を見いだし、ものを作ることによって実現していく過程は、大学院生が作った映画『僕らのカヌーができるまで』にきちんと描かれている。"proses kesampaian menjadi pelahu kami" とは、そのタイトルのインドネシア語表記。
たたらで製鉄されたケラを、奈良県東吉野村の刀匠、河内國平さんに習って、関野さんとカヌーメンバーの前田次郎さん、佐藤洋平さんが斧に仕立てようと苦戦する。
河内さんはカメラのインタビューに答えて言う。向い鎚をやっている鍛冶はおそらくここだけだろう。向い鎚ではなく、ベルトハンマーでも足りる。むしろベルトハンマーのほうがいいぐらいかもしれない。しかし機械ではなく、人がやるから意味がある。「人間育てるとか、物つくるとか、そんなんちゃうやん」。
単なる教育論として見るにはあまりにももったいない。自分を育てるための孤独な旅の経験が、人と人とをつなげ、他人をも大きく動かしていく奇跡があることを、このフィルムは饒舌に伝えてくれる。
ポレポレ東中野でのレイトショーは明日30日まで。でもきっと今後もどこかで上映が行われるので、要注意だ。
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Why They Stand Up for Puujee
関野吉晴さんがモンゴルの草原でプージェーに出会ったのが1999年。短くも濃いプージェーの一家との交流を通して、遊牧民のライフスタイルを描いた映画が完成したのが2006年(私もそのときに感想を書いた)。
以後、国内各地だけでなく、世界中の映画祭に招待され、モンゴルでもテレビ放映されたのだが、5年経って初めてスタッフによる自主上映が先週行われた。いまさらの自主上映は、プージェーの祖母、スレンさんへの応援カンパを募ることだという。
社会主義諸国の経済システムに組み込まれていた時代が終わり、遊牧民は経済システムから完全に外れてしまった。市場経済の中では牧畜が成り立たなくなってしまい、スレンさんの一家も羊を失い、生計を立てることができなくなってしまった。
いまの需給バランスでは、ある程度の規模があれば牧畜を続けることができる。『プージェー』のスタッフは、それを羊、ヤギあわせて200頭と試算した。今後の繁殖や売却で、3年後から現金収入が得られる見込みだ。軌道に乗るまでの生活費はいまの家畜(牛と60頭の羊、ヤギ)の乳製品出荷とスレンさんの年金で賄い、羊、ヤギ200頭を寄付すれば、彼女が牧畜を再開できるとの目論みである。
なんとか今回の上映会で羊、ヤギ200頭分の資金を集めたいというのが、スタッフの願いだ。上映会は明日も行われる。
5月16日(日) 午後6時半開場 午後7時上映 トーク 山田和也監督 + 春風亭昇太さん 料金:1,000円 (当日券あります) なかのZERO小ホール TEL:03-5340-5000 (JR中野駅南口徒歩8分)
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