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Kazumi Nishikawa Died

by Days posted at 2008-02-15 01:45 last modified 2008-02-22 01:44

西川一三さんが亡くなった。
またの名を蒙古僧ロブサン・サンボー。太平洋戦争末期、内蒙古を発ち、国共が対峙する中国を縦断してチベットに入った人だ。もちろん日本軍の密命を帯びた調査の旅だったが、西川さんは8年ものあいだ、ラサのデプン寺で僧侶として、またヒマラヤを越えてシッキム、ネパール、インドにまで身分を隠して旅を続けた。そのあいだに戦争は終わり、任務としては果たし得なかったものの、帰国後の西川さんはその記録を「秘境西域八年の潜行」という膨大な書物にまとめている。人民解放軍に占拠される前のラサを訪れた外国人の貴重な証言である。
2001年12月に東京・青山で開催された「日本人チベット行百年フォーラム」に西川さんは招かれ、私が初めてお会いしたのはその時だったと思う。既に書物に書かれていることでも、当人が感慨を交えて語り、また当時くちずさんだ歌を唄う機会に恵まれたのは、本当に幸運だった。盗賊に脅え、厳しい気候の山を歩いて越えた西川さんに比べれば、その10年前の私の「チベット潜行」は全然楽なものだが、苦労してチベットを目指した先駆者として、私には西川さんが本当に大きく見えた。
2月9日に西川さんが住み暮らした盛岡で通夜が営まれたという。残念ながら、もうあの歌を聴くことはできなくなってしまった。

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