Koiwagawa
山形県鶴岡市小岩川地区で海に迫った崖が崩壊し、国道7号線とJR羽越本線が土砂に埋まったのは7月14日のことだった。全国に災害をもたらした、あの梅雨の最中だ。
片側1車線ずつの国道は2日間の通行止めの後、片側通行で通行が再開されたものの、鉄道はいまも復旧工事の最中。特急「いなほ」と接続する代行バスがかろうじて新潟−庄内の旅客を運んでいる状況らしい。
翌週末に私たちも寝台特急「あけぼの」で秋田入りする予定だったのが、運休となってしまった。17日までは北上線経由で迂回運転をしていたのだから、そのまま続けてもらえればよかったのだが、きょうの段階では8/9に運転再開される見込みらしい。まあ、急に仕事も忙しくなって、休暇を取って秋田行きどころではなくなったので私たちはいいのだけれど、それにしても山形の人たちは困るだろう。
山形県知事はこの災害に関して「自然災害ということで片付けられるのか」と記者会見で苦言を呈したらしい(7/25山形新聞)。これはこれまでのJRや国土交通省による対策が不十分だったのではないかということを指摘しているらしい。
道路については山沿いに「新直轄方式」の高速道として日本海東北道の工事が着々と進められており、いずれ開通すれば新潟県境−鶴岡のあいだは国道の通行止めに悩まされることがなくなるだろう。
問題は鉄道だ。今回土砂崩れの起きた小岩川−あつみ温泉駅間は海沿いに単線の線路が国道と並走しているのだが、それとは別に複線幅の2つのトンネルが山側に貫通しており、トンネルの出入り口部分を既存の線路と接続すれば、すぐにでも列車が走れるそうな感じなのである。
このトンネルは旧国鉄が建設したのが、民営化の余波でそのまま使われなくなってしまったらしい。つまりもう20年以上もほったらかしなのだ。
このトンネルを有効に使えば、少なくともこの区間は土砂崩れや台風による波浪とは無縁になる。線路の付け替え工事が土砂崩れの災害復旧よりも安いとは言わないが、この20年の無策のために余計なコストを支払っているとは言えるのではないだろうか。しかもそのコストは、JRだけでなく、山形の乗客たちが不便な思いをすることで支払っているのである。
運転再開時期の発表前に、8月下旬に休暇を取るべく、再度「あけぼの」の予約を取りに駅の窓口へ行った。駅員はいつまでの発車分が販売中止なのかを確かめてから指定券を発行してくれたが、「それまでに動いているといいんですけれど」と言っていた。
予定通り来週の9日から、小岩川の人たちの生活が元に戻ることを願おう。
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毎日新聞8/8より。
富塚・鶴岡市長:JR東などに要望「未利用地活用し幹線の安全策を」 /山形
羽越線新幹線直通促進庄内地区期成同盟会長の富塚陽一鶴岡市長は、7日までに、JR東日本本社などに、同線の安全対策として「あつみ温泉駅―小岩川駅間の2カ所の未利用トンネルや未利用鉄道用地を活用し、日本海沿岸の大動脈幹線の安全策を講じてほしい」とする要望書を提出した。土砂崩れの不通区間は9日、運転を再開する。【粕谷昭二】