My First Norn
カナトを朝5時に起こし、二人して眠い目をこすりながら家を出る。まだ早朝は凍てつく寒さ。関越道を北上して、赤城を過ぎたあたりで気温はマイナス7度。
インターからノルン水上まで3キロ。とは言え、油断は大敵。路面がところどころ凍結している。都内仕様でスタッドレスなんか履いていないので、そろりそろりと走る。あとでデコポンに無謀だと笑われた。この冬だけでも既に十数件スリップ事故が起きているのだそうだ。
デコポンは朝7時半までの仕事を終えて、それでも元気に私たちを出迎えてくれた。最初はデコポンに案内されるままに数本滑る。彼とカナトはショートスキーで、私はボードで、きれいにピステンされた斜面は恐ろしいほどよく滑る。ベースからトップまで、約11分のリフト1本で行けてしまうのだが、そのトップからは富士山から八ヶ岳までが一望できる。こんなに晴れたのは運がいい、とデコポンは言う。
デコポンと出会ったのは災害救援基地として使われていた登米市の旧小学校体育館だった。彼は当初、1ヵ月は災害救援ボランティアに集中するつもりでやってきていて、既に物資配送のリーダーを1週間以上続けていた。被災した沿岸部で高台で難を逃れた民家や避難所を1軒1軒回って足りないものはないか、困っていることはないか聞き、次には倉庫代わりの体育館から必要とされる物資をワゴンに積んで届けに行く。
やればやるほど救援する側と支援される側のギャップに悩む。自分だけではどうしようもない。救援活動そのもののありかたを自問自答して、結局彼は予定を繰り上げ、2週間して地元に帰って行った。
が、今度は地元徳島で支援活動の輪を広げていると聞く。
いまはスキー場でバイトをしているくせに、こんなに滑ったのは今年初めてだ、と笑う。スキーシーズンは長いようで短い。12月上旬から働いているこの職場も、2月一杯で辞めて、地元に戻るのだという。あれから1年。災害は意外な人たちを結びつけ、それぞれを成長させる。
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