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Retired Tibetan Cadres’ "Submission” on Tibetan Language

by Days posted at 2011-01-18 22:55 last modified 2011-01-19 03:00

年明けから、International Campaign for Tibet(ICT)からのニュースが相次いでいる。ICTは米国ワシントンに本部がある、リチャード・ギアが理事長を務める組織と言えばわかりやすいだろうか。ICTと言えば調査レポートに定評があるが、昨年7月にMary Beth Markeyが代表に就いてから、その数が格段に増えた印象がある。

Jigme Gyatso

4日には「国連調査団に証言し、拷問を受けたチベット人政治囚に生命の危険」と題されたレポートを発表している。2005年、国連拷問禁止委員会の調査団に証言を行った後、拷問を受けたチュシュル(曲水)刑務所のジグメ・ギャツォが重篤になっているというもので、ICTは国連拷問禁止委員会のフアン・メンデス委員長に対応を求めている。
ジグメ・ギャツォは21歳の時ラプラン・タキシル僧堂で出家し、その後ガンデン寺に移った。同姓同名の「ジグメ・ギャツォ」がラプランに何人もいてややこしいのだが、獄中体験をVOAで話したために再逮捕されたジグメ・ギャツォ(ジグメ・グリ)や、LEAVING FEAR BEHINDでトンドゥップ・ワンチェンの助手を務めたジグメ・ギャツォ(ゴロク・ジグメ)とは別人。1980年代には南インドのデプン・ゴマン学堂で数ヶ月学んだこともあったという。チベットに戻った後、96年3月にラサで逮捕され、反革命罪、国家分裂煽動罪に問われて、11月23日に有期徒刑15年の判決を受けた。
2005年11月27日、チュシュル刑務所を調査した国連拷問禁止委員会のマンフレッド・ノワク博士が彼に面会した。その際、ダプチ刑務所で「ダライ・ラマ万歳」と叫んだことが原因で2004年5月に2年の刑期延長を受けたと彼はノワク博士に話している。博士はその直後、彼の釈放を求めたという(中美対話基金会によれば、刑期延長は3年が正しいという)。
国連人権委員会は2006年3月10日のレポートで、「ジグメ・ギャツォは政治犯であり、拷問に直面しているという調査結果から、特別調査官は(中国)政府が彼を釈放することを求める」と書いている。
ICTは同年12月、彼の健康を憂慮する旨のレポートを出し、判決文の英訳など引用している。
今回ICTがチベット人情報として得た最新の状況によれば、「極度に健康を害し、他の囚人と隔離されている」という。また毎年末に許可されていた家族の面会が、ここ数ヶ月許可されていないという。

また11日には、青海省で始まったチベット語教育の改革に対する退職教員たちの意見書を英訳して掲載、チベット人のアイデンティティと文化のゆりかごであるチベット語の危機から生まれた抗議の動きを紹介している。
「青海双語中長期改革問題に関する意見」と題された文書は「チベット人退職公務員と老教職員一同」から青海省教育庁に宛てて2010年10月24日付けで出されたもので、12月1日、全文が博訊新聞網に掲載された。青海省教育庁の他、中央統一戦線、全国人民宗教委、国家民族委、国家教育部、全国政協民委など中央政府の関係機関にもコピーが送られており、博訊編集部は「新鮮で示唆に富む内容」と評している(この文書だけではもちろん何のことかわかりにくいが、双語教育騒動については現地在住の日本語教員、阿部治平さんのルポが秀逸だ)。

文書はマロ(黄南)、ツォルホ(海南)両州での双語教育の実績を評価しながら、青海省教育大会で発表された「青海省教育改革と発展中長期規則綱要(2010-2020年)」について「この綱要では漢語とチベット語とが主要言語、第二言語に区別され、指導言語を統一するなどの改革は重大な問題がある」と指摘し、この綱要の性急な実施が10月19日以来、マロ、ツォルホ、ゴロク(果洛)、ツォチャン(海北)など4つのチベット自治州の小中学校でデモや校内集会など様々な抗議を引き起こしたことについて、「これらの地区以外に飛び火すれば、国際的にも国内的にも非常に悪い影響がある」と憂慮している。
とりわけ細かく分析されているのは、省教育庁の王予波がこの綱要を「中央の方針と国家法律、市民の利益と希望に一致している」と繰り返し説明したことで、「中央の方針」である「国家中長期教育改革と発展規則綱要(2010-2020年)」との矛盾点、綱要を裏付ける法令は何もないばかりか、憲法、中華人民共和国民族区域自治法、教育法、国家通用言語文字法に違反していることなどが細かく検証されている。こうしたことを長々とした説明の上で、彼らが教育庁に要求しているのは以下の3点。

1. 思考停止に陥った文革の経験を教訓として、漢人と少数民族との相互尊重の中で、言葉を学び、言葉を話すことは民族関係を良好にするための一助となる。自治法49条は「民族自治地域の自治機関は民族幹部と互いに言葉を学ぶことを奨励する。漢人幹部はその地域の少数民族言語文字を学び、少数民族幹部はその民族の言語文字を学び、使うとともに、全国で通用する普通話と漢字を学ばなければならない。」と規定している。
我々定年を迎えた公務員が若かりし頃、チベット地区に移住して来た漢人幹部はチベット語にも精通しているのがふつうだった。文革は少数民族言語の学習と使用を完全に禁止したが、三中全会でそれが修正された。いまは世の中が変わり、少数民族が漢語を学ぶことがふつうになり、漢人幹部は地域民族の言語を使えなくなった。自治機関が使う民族言語は次第に減り、民族言語は弱体化させられ、民族言語に才がある人も軽んじられている。こうした状況がチベット自治地域の民族関係に暗い影を落としている。省委員会、省政府がこれを重く受け止め、各自治地域が現状を正視して、積極的に改善に取りかかり、同様の状況をこれ以上増やさないようにすることが希望される。

2. チベット語の保護と発展は、他言語文化の共存、人類文化の継続にとって重要であり、尊重されるべきものである。チベット語には長い歴史があり、重層的な歴史文化と精神文明を育み、チベット文明ないしインド文明、そして中原文明に生まれた他の言語などへ保存し、伝える役割を担ってきた。これは中華民族文化のソフトパワーにとっても重要な点である。チベット語は同時に国境を越えて使われる言葉でもあり、国内のチベット地域だけでなく周辺各国で使われている。チベット語の使用と発展は国内だけの問題ではない。現代では言語や文化の多様性が、生物多様性と同様に世界中の人々の関心を集めている。同時に2年連続した3.14事件、7.5事件はチベット人に暗い影を投げかけ、中央や国家がチベット政策を変えるのか変えないのか、チベット人公務員、市民、学生はどうなるのか、チベット文化、チベット語、仏教はどうなるのかと人々は不安に震えることになった。このような時代、このような瞬間、このような背景において、法律政策の継続性を断ち切り、大規模な改革を実行し、教育現場でのチベット語の使用制限を実施すれば、人々があわてふためき、教職員と保護者に混乱をきたし、安定と和諧、団結を乱すことは目に見えている。教育部門は異論を敵視することなく、予断を排し、事実を直視し、これが重要な政治的判断で、人々の生活にも直結することを追う考慮した上で、良い結果をもたらすよう配慮することが希望される。

3. 教育および少数民族関係部門に関わらず、関係する民間団体が双語教育問題の深層調査、研究、検討、経験交流を発展させることが、社会安定と民族団結を維持し、チベット語が民族関係と国家安全の政治的要素に影響するのを回避することになる。青海省では最大の民間団体、青海蔵族研究会が、チベット人、漢人、その他少数民族の専門家、教育関係者、社会関係者を中心に双語教育に関する調査研究、分析を行い、提案をまとめて提出することができる。これにより、チベット人幹部や市民、教員、生徒が「過激行動」に走ることを防止し、悪影響が広がるのを抑止することができるだろう。各民族同胞には長期にわたる視点で、冷静沈着に、噂を流したり信じたりすることなく、科学的に穏当に、有利かつ有効に双語教育を推進し、社会の和諧安定を作り出す努力を保つことが希望される。

決して特権的立場ではない無名の人々が、チベット語を守るために知恵を寄せ合って出した訴えには感銘を受けるが、一方でこうした細かい情報を漏らさず訳出しているところに、米国のNGOの底力を感じる。ひとつのメッセージの背後には、言葉にならない数十もの感慨が伝えられずに眠っているはずだ。

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