2010/08/14
Tashikaraura
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2010-08-14 19:10
last modified
2010-08-14 19:18
まだ工事してて未供用のトンネルに阻まれ、国道260号線が慥柄浦(たしからう ら)の集落を避けるバイパスから海沿いのつづら折れ旧道に戻ると、眼下には贄湾 (にえわん)の青い海。きょうは少し波が立っているようだ。260号線は、太平洋 岸を伝う国道の中でも指折りの「酷道」だが、改良が進んで虫食い状態で整備が進 んでいる。 写真を撮っているうちにモトはさっさと坂道を上がって行ってしまった。上り坂は イヤだ、と言っていたモトが、ことし中学生になってからどんどん先に行ってしま うようになった。口では相変わらず「もうイヤだ」と言っているが。 坂の頂上で待っていたモトに追いつき、先に行ってよいと手を振って合図する。後 ろからも前からもクルマは来ない。カーブが多いので見通しが悪いが、海沿いの爽 快な坂道を下って行く。 贄湾の景色によそ見をしていたら、右ブラインドカーブからトラックが上がってく るのに気付くのが遅れた。重そうな大型の冷凍トラックがゆっくりとだが、セン ターラインを越えてこっちへ突っ込んでくる! 狭い下り坂の急カーブ、あわててブレーキをかけたモトのMTBは後輪が路肩の外 側へ滑って、バランスを崩しかけている。トラックを避けようとガードレールぎり ぎりで私もブレーキをかけたが、路肩に散らばった砂利で滑る滑る! モトは何と か転ばずにトラックとすれ違った。滑る私のMTBとも、トラックの前頭部はぎり ぎりでかすめて行ったが、今度は迫り来るガードレール。あわや白い鋼鉄の生け贄 になるかと思うところで、なんとかバランスを取り戻した。 「危なかった。死ぬところだった」とモト。いや、ホントやばかった。親子ともケ ガひとつなく済んでよかった。「もしあそこで死んでいたら、自転車の旅に連れ出 した父をずっと恨んで、呪って出てやる」。 モトがそう話すこの夏の自転車旅は、2年前の夏の旅の終点だった三重県志摩磯部 から、昨年の出発地、尾鷲までの約95キロ。慥柄浦はその中間の旧南島町、いま の南伊勢町にある。これで東京から和歌山県の日ノ岬まで約1200キロがほぼつな がった。
−−先週末の旅から戻って早々、『地平線通信』vol.369に書いた文章。
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