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Truth in Drugchu

by Days posted at 2010-08-10 23:20 last modified 2010-08-11 01:58
ドクチュの土石流現場

ラダックで大水害が起きたと思ったら、今度はアムドのドクチュで土石流被害。
ドクチュ、甘粛省甘南チベット自治州の舟曲県では、8日昼前に起きた土石流で県内の月円村、三眼村、春楊村が埋まったほか、白竜江に流れ込んだ土砂が自然ダムを造ったために市街地が水没。現時点で702人が亡くなり、1000人以上がまだ行方不明だという。

ドクチュ(舟曲)には活断層が走っており、そもそも地滑り多発地帯だ。蘭州晨報の2005年12月28日の記事によれば、舟曲県内で1950年から1990年までの40年間に雹害、暴風雨、鉄砲水など自然災害が23回も起きていたという。地滑りは1981年4月9日に白竜江が8キロに渡って寸断され、1300立方メートルの自然ダムができた災害以来、8回も起きている。土石流による国道や橋の損壊は毎年のように起きていた。
『舟曲県誌』にはこう書かれている。「舟曲山地、幾重にも連なる峰々、山々はすべて青緑に染まる‥‥。1950年代には県内のほとんどを森林が占め、山紫水明、生態環境が保たれ、空気が清々しかった。‥‥その後、多くの林を開墾して農地に転用し、‥‥保水土の流出が深刻である」。

1958年の『大躍進』時代、県内の森林資源は略奪的な破壊を受けた。舟曲林業局が創設された1952年8月から1990年までの統計によれば、累計で189.75万ムー(=2846ヘクタール)が伐採され、ほとんどの森林が二次林になった。民有地の材木は乱伐、盗伐に遭い、全県で毎年10万立方メートルの森林が失われていった。植生の破壊は深刻で、生態環境は破壊限度を超えてしまった。
県政府の首脳は記者に、舟曲は典型的な農業県で、県民の89.1%が農業に従事している、この40年間で耕地を倍増させて生産量を増やした、いまでは40度以下の斜面のほとんどが耕地になっていると話した。
このような無理な土地の造成が保水土を流出させ、地滑りを招き、土石流などの災害を発生させているのだ。

新華社が土石流の原因をあくまで自然災害とする一方で、四川新聞網には地質学者の范暁氏のインタビューが掲載された。要点だけ訳すと、

  • 歴史上、ドクチュでは災害が高い確率で発生しているが、今回の土石流災害はいままでの被害を大きく上回る。
  • 原因は強い降雨。ただ、降雨から土石流発生まで2時間あったので、早期に避難することはできたのでは。
  • 予算の問題もあり、完全に災害を防ぐことは不可能。
  • 1950〜90年代の大量森林伐採と耕地の拡大、造成が保水土の流出を深刻化させた。
  • 2000年以降、大規模な水力発電開発や市街地の拡大、工場の増設、道路の改築と拡張など環境への影響が大きいプロジェクトが進められ、土砂災害の危険が増大した。
  • 工場団地の造成、大規模な道路建設、キロワット級の水力発電開発、市街地の拡大などは全国で見られることで、甘粛はそのひとつに過ぎない。しかし中国西部の山岳地帯にまで開発が及ぶことで、以前から災害が多発していた地域でもこうしたプロジェクトが進められ、植生の破壊と保水土の流出を激化させている。当然、土砂災害の頻度や規模にも影響しているだろう。

とのこと。白竜江の各支流には水力発電計画が花盛りで、インタビューによれば甘南州だけで156ヵ所のダムが完成もしくは、建設中、計画中で、電力の州外への「輸出」が州税収の50%以上を占めているという。
「ダムは莫大な利益をもたらします。環境と引き換えに、我々は大きな発展を得たのです。しかし今回のように大災害が起きれば、その救援と復旧には多額の費用がかかります。それどころか失われた命はお金には代えられないものです」。

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